感染症科見習いの勉強記録

日々の学びを淡々とつづります。

サイトメガロウイルス感染症の診断

  • 医原性のリスク:PSL≥0.5-1.0mg/kg,プリンアナログ,抗胸腺細胞グロブリン,アレムツズマブなど
  • IgG/IgM:多くの場合役に立たない(移植前のリスク評価などで検討)
  • アンチゲネミア(pp65抗原):カットオフ値は不明(10-20陽性細胞/200000白血球?)。HRP-C7法→1スライド(分母の白血球数記載あり),C10/C11法→2スライド(分母の白血球数記載なし)なので平均値をみる。好中球減少症では感度落ちる。モニタリングする場合は週1回でよい
  • 血漿PCR:4ケタ/mLくらいは必要か。保険適応になったがハードルは高め。モニタリングする場合は週1回でよい(全血だと血漿より高値になる,白血球内の潜伏DNA を検出する可能性)
  • 病理:封入体細胞(ヘルペスウイルスに共通),抗CMVモノクローナル抗体免疫染色

 

  • 肺炎:BALの病理(封入体細胞)が基本。PCRはBAL/肺組織で陰性なら除外可能,カットオフ値4545IU/mLで感度91%特異度71%。自然排出あるのでPCR陽性でも診断は慎重に行う。肺生検は出血など合併増えるので安全な場合のみ検討
  • 腸炎内視鏡所見(多発,浅い潰瘍)と生検組織の病理所見がメイン。組織/血液のPCRだけでは不十分(組織で陽性→低値なら不十分,血液で陰性→除外はできない)
  • 網膜炎:他部位より発症が遅い。AIDS(CD4<50)以外では問題になることは少ない。眼科医の診察(眼底出血など)による。前房水/硝子体液PCRの陽性は特異的
  • 脳炎・脊髄神経炎:臨床症状+脳炎MRIで脳室周囲の造影増強が特徴的。髄液PCRの結果は診断的

 

UpToDate - Approach to the diagnosis of cytomegalovirus infection
https://www.uptodate.com/contents/approach-to-the-diagnosis-of-cytomegalovirus-infection

日本造血・免疫細胞療法学会 - サイトメガロウイルス感染症 第4版(2018年8月)
https://www.jshct.com/uploads/files/guideline/01_03_01_cmv04.pdf