感染症科見習いの勉強記録

日々の学びを淡々とつづります。

ST合剤の「脱感作」

まず,「脱感作(desensitization)」は本来,IgEが関与する即時型アレルギーを起こした薬剤に対して行われるものです。

しかし,ニューモシスチス肺炎の治療などで用いるST合剤でしばしば認められる発熱・皮疹については,機序がよくわかっていない,とされています。実際,アナフィラキシーなどの即時型反応ではありません。

それでも,慣習的に「脱感作する」と言われており,UpToDateを見ると,諸外国でも同様なようです。

実際のST合剤の脱感作プロトコルも,国内ではACCの下記が有名ですが,ペニシリンのそれと比べるとずいぶん緩やか(5日間)です。

大事なのは,ST合剤の「脱感作」がほかの薬剤の脱感作と同じとは限らないことと,そもそもの対象をまずはきちんと押さえる(間違えない)=水泡性皮疹や溶血性貧血,重症薬疹などでは決して行わないこと,かなと思います。